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  犬猫の去勢手術・避妊手術と、全身麻酔について
      

      当院では、避妊手術、去勢手術の通常よく行われる手術に関しても、
      飼い主様一人ひとりの考え方や意見を尊重し、十分な説明を行った
      うえで決定します。

      いずれの場合も、詳細は獣医師によく確認していただき、わからない
      ことや不安な点を解消して、獣医師と飼い主様の意思確認をよく行っ
      たうえで手術を決めることが大切です。

      去勢手術、避妊手術は、そのペットにとって性ホルモンを失うという
      生き物としての恒常性に少なからぬ影響をもつ行為です。手術した
      あとに、元に戻すことはできません。

      そして、犬と猫は全く種類の違う生き物です。発情や生理的な周期、
      習性も違います。従って避妊や去勢に関しても目的や趣旨、必要性
      に違いはございますので、どうぞ以下の文章をお読みいただき、ご
      家族で参考にして頂けたり、ご一考の一助になれれば幸いです。

      当院では基本的に日帰り手術になりますが、入院をご希望の飼い主
      様はご相談下さい。

      犬は血液検査および心電図、胸部レントゲン検査、猫は血液検査

      の基本的な検査を含んで費用設定をしています。

      術前検査推奨項目
      一般身体検査(体重測定、聴診、触診などもちろん行います)
      血液検査(血球計算 生化学 SDMA検査)
      心電図検査
      胸部レントゲン検査
   

犬の去勢手術 肥満傾向のワンちゃんや、パグフレンチブルドッグシー
ズー
などといった短頭種は、呼吸管理が他の犬種よりも難しい
ため、麻酔の危険性や手術の難易度は大きくなります。

(一般的によく言われる)メリットは以下のことなどがあります。

性格がおだやかになる
性のストレス軽減
前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫などの男性ホルモンが
関わる臓器の疾患予防/治療
飼い主様が望まない妊娠を避ける
足をあげて排尿することやマーキングの対策

ただし、男性ホルモンが強く影響して「凶暴性がある」「吠えて
うるさい」「マーキングをする」のではなく、そのワンちゃんの
もともとの性格がそういった傾向の場合、「おだやかにする」
「マーキングを矯正する」目的で去勢手術を行っても改善され
ない場合はあります。

また、「前立腺肥大」に対しては予防や治療的効果が認められる
というデータがありますが、「前立腺がん」に対しては去勢の
有無は関係がない
というデータがあります。

デメリットとしては以下のことが考えられます。

基礎代謝が減少することによる肥満傾向
(二次的な甲状腺機能低下のおそれ)
ホルモンバランスの崩れによる皮膚病や、体質的な皮膚炎
の発症、悪化等が現れることがある
麻酔によるショックや心停止など死亡する危険性

当院では、ワンちゃんに関しては、去勢手術の必要性はご家庭
により違いがあることととらえておりますので、そのワン
ちゃんが本当に去勢手術が必要かどうか、飼い主様のご意向や
飼育環境などをお聞きし、メリットデメリットをよく検討した
うえで決定しています。
犬の避妊手術 去勢手術と違いおなかを開く「開腹手術」になりますので
手術の危険性は去勢手術に比べるとどうしても大きくなります。

肥満傾向のワンちゃんや、パグフレンチブルドッグシー
ズー
などといった短頭種は、呼吸管理が他の犬種よりも難しい
ため、麻酔の危険性や手術の難易度は大きくなります。

卵巣のみを摘出する手術と、卵巣と子宮を両方摘出する手術と
ありますが、当院では飼い主様のご要望が無い限りは、基本的に
生体への負担や痛みが少なく、各種予防目的を果たせる卵巣のみ
摘出の手術方法で行います。(子宮卵巣両方の摘出と比較し、
関連疾患の発生率には有意差が無いというデータがあります。)

(一般的によく言われる)メリットは以下のことなどがあります。

子宮蓄膿症、乳腺腫瘍等の女性ホルモンが関わる疾患の予防
糖尿病など、女性ホルモンが関わる病気への補助治療
発情出血によるお部屋の汚れなどがなくなる
飼い主様が望まない妊娠を避ける
性のストレス軽減

※乳腺腫瘍の発生率に関しては、手術の時期により違いが生じる
というデータがありますので、診察時にその都度ご説明しています。

デメリットとしては以下のことが考えられます。

基礎代謝が減少することによる肥満傾向
(二次的な甲状腺機能低下のおそれ)
ホルモンバランスの崩れによる皮膚病や、体質的な皮膚炎
の発症、悪化等が現れることがある
ホルモン減少が関与する尿失禁(尿もれ)等が現れることがある
麻酔によるショックや心停止など死亡する危険性

当院では、ワンちゃんに関しては、避妊手術の必要性はご家庭
により違いがあることととらえておりますので、そのワン
ちゃんが本当に避妊手術が必要かどうか、飼い主様のご意向や
飼育環境などをお聞きし、メリットデメリットをよく検討した
うえで決定しています。


犬の妊娠について

当たり前のことですが、ワンちゃんと猫さんは違う種類の生き物です。
猫さんに比べ、ワンちゃんは妊娠のしかたに違いがありますので、参考
にしてみて下さい。

メスのワンちゃんは、だいたい7〜10ヶ月に1回、「発情」が来ます。
大型犬などで12〜13ヶ月に1回ということもあります。
「発情期」とは、オスを受け入れ妊娠が可能になる時期、期間を指します。
ですので、メスのワンちゃんが妊娠することができるのは、年に1-2回の、
これから述べる期間だけです。


ヒトの生理と似ていますが、発情の前に「発情出血」があります。
この時期は、妊娠しませんし、オスも受け入れません。

発情出血は、個人差がありますがだいたい10日から14日程度です。
正常でも、3週間ほど続くワンちゃんもおりますので2週間以上になった
から即病気である、というものでもありません。

発情出血が終了してから、大体1週間くらいまでが「発情期=妊娠可能期間」です。
この期間を「交配適期」ともいいます。
発情出血終了のあたりからのこの時期に排卵が起こり、オスを受け入れ、妊娠ができます。

 

発情前期(出血開始から平均8-9日) 
発情期 (発情前期から9日程度 この時期に排卵、受胎可能。ただし個体差が大きい。)
黄体期 約2ヶ月 

発情期を過ぎると、黄体期となり、メスのワンちゃんはオスを許容しなくなります。
また、排卵後、女性ホルモンの影響が強く出るワンちゃんがおり、
まるで赤ちゃんがいるかのような「想像妊娠=偽妊娠」をすることが
あります。場合により、乳汁(オッパイ)も出てきます。

飼い主さんが去勢・避妊手術をしない選択をして、望まない妊娠を
避けるためには、オスであればしっかりとリードを離さず散歩する、
メスであれば発情期は散歩のコースに気をつけ、ドッグランや公園には
連れて行かない、発情出血後、念のため1ヶ月程度オスとの接触を
避ける、などの工夫が必要です。

オスメス同居で妊娠が避けられない、または管理する自信がない、
屋外飼育で知らぬ間に妊娠する可能性が否定できない、生まれてしまった
子犬の一生に責任を持つことができない、などの場合、妊娠を避けるために
手術を検討します。

当院では、特にワンちゃんに関して、各ご家庭の飼育状況や犬種、ワンちゃん
の性質、飼い主さんの考え方、価値観などにより、「去勢手術」「避妊手術」を
ケースバイケースで判断していきます。
手術を決定する前にまずよくお話しますので、スタッフによくご相談下さい。


 

猫の去勢手術 一般的に言われるメリットは以下のことがあります。

性成熟期からはじまるなわばり尿スプレー行動の抑制
「さかり」の消失、性ストレス軽減
中性化による寿命の延長
男性ホルモンが関与する疾患の予防
飼い主様が望まない妊娠を避ける

デメリットとしては以下のことが考えられます。

基礎代謝が減少することによる肥満傾向
ホルモンが関与する皮膚病などが現れることがある
麻酔によるショックや心停止など死亡する危険性

また、スプレー行動の抑制は、必ずしも全部の猫がスプレー行動
をしなくなるわけではないというデータがあります。

猫の去勢手術に関しては「手術をしないと飼育していけない」と
いう実情があることも多く、飼い主様の要望に応じ行います。
猫の避妊手術 去勢手術と違いおなかを開く「開腹手術」になりますので
手術の危険性は去勢手術に比べるとどうしても大きくなります。

卵巣のみを摘出する手術と、卵巣と子宮を両方摘出する手術と
ありますが、当院では飼い主様のご要望が無い限りは、基本的に
生体への負担や痛みが少なく、各種予防目的を果たせる卵巣のみ
摘出の手術方法で行います。(子宮卵巣両方の摘出と比較し、
関連疾患の発生率には有意差が無いというデータがあります。)

一般的によく言われるメリットは以下のことがあります。

「さかり」の消失、性のストレス軽減
中性化による寿命の延長
子宮蓄膿症などの女性ホルモンが関わる疾患の予防
飼い主様が望まない妊娠を避ける

メス猫でも、なわばり尿スプレー行動をすることがあり、その対策
として避妊手術を行うこともあります。

デメリットとしては以下のことが考えられます。

基礎代謝が減少することによる肥満傾向
ホルモンが関与する皮膚病などが現れることがある
麻酔によるショックや心停止など死亡する危険性

発情が終了しても、その次の発情が3週間程度でまた来てしまう
体質のネコさんがおります。その体質の場合、年に何回も妊娠
し子猫を生むことが可能です。
したがって不幸な子猫を増やさないようにという趣旨で避妊手術
を行うことも止むを得ないことがあります。

猫の避妊手術に関しては「手術をしないと飼育していけない」と
いう実情があることも多く、飼い主様の要望に応じ行います。
  ご質問・ご不明な点・わからないこと・獣医師にご遠慮なくご相談下さい


麻酔について
「100%安全な麻酔は存在しない」

人間の医療現場においても、10万人全身麻酔をかけると何人かは麻酔薬自体が体質的に合わず
に亡くなるケース、麻酔中に亡くなるケースはどうしても存在します。
全身麻酔をかけると、生体を切って手術ができるようになるのは皆さんご存知かと思いますが、
では全身麻酔が「なぜ効くのか」「なぜ意識がなくなり身を切っても無反応になるのか」ということ
に関しては、実はまだ詳しくは解明されていないのです。

そういった、「生き物に対し麻酔をかける」ということに関しての危険性を認識し、できるだけ
麻酔事故を防ぐように獣医師は努めます。

当院では、全身麻酔処置において、基本的には注射麻酔による導入、気道確保のための気管チュ
ーブ挿管、ガス麻酔と酸素による麻酔維持、呼吸管理のための自動呼吸装置使用、生体モニター
による心電図、心拍、呼吸などの監視を行います。
麻酔中、心拍や血圧の低下、心停止などの緊急の際も対処可能なよう、手術室には緊急薬を常備
します。

(※ただし、緊急手術や極度の緊張状態や興奮状態のワンちゃんネコちゃんに関しては、通常
以外の方法で麻酔を行わざるを得ない場合があります。この場合、麻酔方法や危険性について
はその都度ご説明いたします。)

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