犬の去勢手術 |
肥満傾向のワンちゃんや、パグやフレンチブルドッグ、シー
ズーなどといった短頭種は、呼吸管理が他の犬種よりも難しい
ため、麻酔の危険性や手術の難易度は大きくなります。
(一般的によく言われる)メリットは以下のことなどがあります。
性格がおだやかになる
性のストレス軽減
前立腺肥大、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫などの男性ホルモンが
関わる臓器の疾患予防/治療
飼い主様が望まない妊娠を避ける
足をあげて排尿することやマーキングの対策
ただし、男性ホルモンが強く影響して「凶暴性がある」「吠えて
うるさい」「マーキングをする」のではなく、そのワンちゃんの
もともとの性格がそういった傾向の場合、「おだやかにする」
「マーキングを矯正する」目的で去勢手術を行っても改善され
ない場合はあります。
また、「前立腺肥大」に対しては予防や治療的効果が認められる
というデータがありますが、「前立腺がん」に対しては去勢の
有無は関係がないというデータがあります。
デメリットとしては以下のことが考えられます。
基礎代謝が減少することによる肥満傾向
(二次的な甲状腺機能低下のおそれ)
ホルモンバランスの崩れによる皮膚病や、体質的な皮膚炎
の発症、悪化等が現れることがある
麻酔によるショックや心停止など死亡する危険性
当院では、ワンちゃんに関しては、去勢手術の必要性はご家庭
により違いがあることととらえておりますので、そのワン
ちゃんが本当に去勢手術が必要かどうか、飼い主様のご意向や
飼育環境などをお聞きし、メリットデメリットをよく検討した
うえで決定しています。 |
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犬の避妊手術 |
去勢手術と違いおなかを開く「開腹手術」になりますので
手術の危険性は去勢手術に比べるとどうしても大きくなります。
肥満傾向のワンちゃんや、パグやフレンチブルドッグ、シー
ズーなどといった短頭種は、呼吸管理が他の犬種よりも難しい
ため、麻酔の危険性や手術の難易度は大きくなります。
卵巣のみを摘出する手術と、卵巣と子宮を両方摘出する手術と
ありますが、当院では飼い主様のご要望が無い限りは、基本的に
生体への負担や痛みが少なく、各種予防目的を果たせる卵巣のみ
摘出の手術方法で行います。(子宮卵巣両方の摘出と比較し、
関連疾患の発生率には有意差が無いというデータがあります。)
(一般的によく言われる)メリットは以下のことなどがあります。
子宮蓄膿症、乳腺腫瘍等の女性ホルモンが関わる疾患の予防
糖尿病など、女性ホルモンが関わる病気への補助治療
発情出血によるお部屋の汚れなどがなくなる
飼い主様が望まない妊娠を避ける
性のストレス軽減
※乳腺腫瘍の発生率に関しては、手術の時期により違いが生じる
というデータがありますので、診察時にその都度ご説明しています。
デメリットとしては以下のことが考えられます。
基礎代謝が減少することによる肥満傾向
(二次的な甲状腺機能低下のおそれ)
ホルモンバランスの崩れによる皮膚病や、体質的な皮膚炎
の発症、悪化等が現れることがある
ホルモン減少が関与する尿失禁(尿もれ)等が現れることがある
麻酔によるショックや心停止など死亡する危険性
当院では、ワンちゃんに関しては、避妊手術の必要性はご家庭
により違いがあることととらえておりますので、そのワン
ちゃんが本当に避妊手術が必要かどうか、飼い主様のご意向や
飼育環境などをお聞きし、メリットデメリットをよく検討した
うえで決定しています。 |

犬の妊娠について
当たり前のことですが、ワンちゃんと猫さんは違う種類の生き物です。
猫さんに比べ、ワンちゃんは妊娠のしかたに違いがありますので、参考
にしてみて下さい。
メスのワンちゃんは、だいたい7〜10ヶ月に1回、「発情」が来ます。
大型犬などで12〜13ヶ月に1回ということもあります。
「発情期」とは、オスを受け入れ妊娠が可能になる時期、期間を指します。
ですので、メスのワンちゃんが妊娠することができるのは、年に1-2回の、
これから述べる期間だけです。
ヒトの生理と似ていますが、発情の前に「発情出血」があります。
この時期は、妊娠しませんし、オスも受け入れません。
発情出血は、個人差がありますがだいたい10日から14日程度です。
正常でも、3週間ほど続くワンちゃんもおりますので2週間以上になった
から即病気である、というものでもありません。
発情出血が終了してから、大体1週間くらいまでが「発情期=妊娠可能期間」です。
この期間を「交配適期」ともいいます。
発情出血終了のあたりからのこの時期に排卵が起こり、オスを受け入れ、妊娠ができます。
発情前期(出血開始から平均8-9日)
発情期 (発情前期から9日程度 この時期に排卵、受胎可能。ただし個体差が大きい。)
黄体期 約2ヶ月
発情期を過ぎると、黄体期となり、メスのワンちゃんはオスを許容しなくなります。
また、排卵後、女性ホルモンの影響が強く出るワンちゃんがおり、
まるで赤ちゃんがいるかのような「想像妊娠=偽妊娠」をすることが
あります。場合により、乳汁(オッパイ)も出てきます。
飼い主さんが去勢・避妊手術をしない選択をして、望まない妊娠を
避けるためには、オスであればしっかりとリードを離さず散歩する、
メスであれば発情期は散歩のコースに気をつけ、ドッグランや公園には
連れて行かない、発情出血後、念のため1ヶ月程度オスとの接触を
避ける、などの工夫が必要です。
オスメス同居で妊娠が避けられない、または管理する自信がない、
屋外飼育で知らぬ間に妊娠する可能性が否定できない、生まれてしまった
子犬の一生に責任を持つことができない、などの場合、妊娠を避けるために
手術を検討します。
当院では、特にワンちゃんに関して、各ご家庭の飼育状況や犬種、ワンちゃん
の性質、飼い主さんの考え方、価値観などにより、「去勢手術」「避妊手術」を
ケースバイケースで判断していきます。
手術を決定する前にまずよくお話しますので、スタッフによくご相談下さい。
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猫の去勢手術 |
一般的に言われるメリットは以下のことがあります。
性成熟期からはじまるなわばり尿スプレー行動の抑制
「さかり」の消失、性ストレス軽減
中性化による寿命の延長
男性ホルモンが関与する疾患の予防
飼い主様が望まない妊娠を避ける
デメリットとしては以下のことが考えられます。
基礎代謝が減少することによる肥満傾向
ホルモンが関与する皮膚病などが現れることがある
麻酔によるショックや心停止など死亡する危険性
また、スプレー行動の抑制は、必ずしも全部の猫がスプレー行動
をしなくなるわけではないというデータがあります。
猫の去勢手術に関しては「手術をしないと飼育していけない」と
いう実情があることも多く、飼い主様の要望に応じ行います。 |
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猫の避妊手術 |
去勢手術と違いおなかを開く「開腹手術」になりますので
手術の危険性は去勢手術に比べるとどうしても大きくなります。
卵巣のみを摘出する手術と、卵巣と子宮を両方摘出する手術と
ありますが、当院では飼い主様のご要望が無い限りは、基本的に
生体への負担や痛みが少なく、各種予防目的を果たせる卵巣のみ
摘出の手術方法で行います。(子宮卵巣両方の摘出と比較し、
関連疾患の発生率には有意差が無いというデータがあります。)
一般的によく言われるメリットは以下のことがあります。
「さかり」の消失、性のストレス軽減
中性化による寿命の延長
子宮蓄膿症などの女性ホルモンが関わる疾患の予防
飼い主様が望まない妊娠を避ける
メス猫でも、なわばり尿スプレー行動をすることがあり、その対策
として避妊手術を行うこともあります。
デメリットとしては以下のことが考えられます。
基礎代謝が減少することによる肥満傾向
ホルモンが関与する皮膚病などが現れることがある
麻酔によるショックや心停止など死亡する危険性
発情が終了しても、その次の発情が3週間程度でまた来てしまう
体質のネコさんがおります。その体質の場合、年に何回も妊娠
し子猫を生むことが可能です。
したがって不幸な子猫を増やさないようにという趣旨で避妊手術
を行うことも止むを得ないことがあります。
猫の避妊手術に関しては「手術をしないと飼育していけない」と
いう実情があることも多く、飼い主様の要望に応じ行います。 |
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ご質問・ご不明な点・わからないこと・獣医師にご遠慮なくご相談下さい。 |
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